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JT65を受信してみよう

JT65モードの受信は、RTTYやSSTVのように無線機のダイヤルを合わせただけではなかなか受信できません。
その最もおおきな原因は、信号受信とデコードを
同時に行わないしくみになっているためです。
下にJT65の送受信イメージを示しました。
イメージから1分毎に送受信を繰り返しているのがわかると思います。また、受信完了後にデコードされていることに注目してください。
RTTYやSSTVでは、受信と同時にデコードされるので、信号を見つければすぐに受信内容が確認できます。しかし、JT65では信号を受信してもリアルタイムにデコードされないので、はじめて信号を受信した方は受信できないという結論に至ってしまうことがあるようです。

もうひとつ受信できない原因と考えられるのは、PC内時計がくるっているのかもしれません。JT65の交信では、毎分0秒から送信/受信の動作に入ります。そのため交信する双方の局がPC内時計を正確に合わせておく必要があります。PC内時計は日本標準時に合わせてください。なお設定誤差はほぼ1秒以内であれば交信できますが、相手局の設定誤差を考えると±0.5秒以内にするのが理想的です。

PC内時計を合わせたら、あまり焦らず1分間の信号を確実に受信してチョット待つ! JT65の受信には忍耐が必要です。


ソフトウェアのダウンロードとインストール

JT65用のソフトウェアは JT65モードの開発者である K1JT/Dr.Joe Taylor 氏が開発したWSJTと、後発の W6CQZ/Mr.J.C.Large 氏が開発したJT65-HFの2つが主に使われているようです。
JT65は、EME,HF,VHFなど目的に応じた信号に区分されています。
WSJTではそれらの目的に応じた信号に対応しておりますが、操作はやや難しくな ります。
一方のJT65-HFは、HF帯通信用のJT65Aだけに対応しGUI操作も比較的簡単に行えるようになっています。これからHF帯で JT65にデビューされる方はJT65-HFでスタートすると良いでしょう。

なお、ここから下は JT65-HFについての説明になります。

JT65-HFのダウンロードページは ソフトウェアのページにリンクがあります。

ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとインストールが始まります。指示に従ってインストールしてください。



初期設定

インストールしたソフトウェアを起動します。
はじめに、コールサインとグリッドロケータの入力が必要になります。コールサインは、/7や/QRPなどコールサイン以外を付けないでください。 JT65では決まったルールに則って交信が行われるのでルール外のデータは送信できないかトラブルの原因になります。
その他の項目は送信するまでは設定の必要がありません。

無線機との接続

無線機との接続は、PCの音声入出力と無線機の音声入出力をつなぐことができるインターフェースであればOKです。具体的にはSSTV,PSKおよびRTTYのAFSK接続用のインターフェースです。このサイトで公開しているデジタルモードインターフェイスも使えます。
このページでは受信だけの説明なのでPCのマイクロフォンを無線機のスピーカに近づけるだけでも大丈夫です。

PC内時計の校正

JT65では、送信局と受信局のPCが正確な時間で動いている必要があります。インターネット接続下にあるPCで自動時刻補正機能を有効にしている場合は通常の作業に支障のない程度の補正が行われているのであまり気にしないでいることが多いと思います。しかし、JT65では1秒以下の精度を要しますので、 前記の機能では補正しきれません。
電波時計やこまめに時刻補正できるソフトウェアを使ってできるだけ正確にPCの時計を合わせてください。

※ PC個体により内蔵時計の精度が大きく異なります。私の所有するPCの内モバイルタイプの1台は内蔵クロックが不安定で,数分でJT65の許容範囲を逸脱してしまうものがあります。このPCでは受信はなんとかなるものの交信は不可能です。またこのPCではサウンド出力が安定して得られない傾向がありました。


JT65の運用周波数

JT65の運用は1.8~28MHz帯の各バンドで行われています。
主な周波数は,JT65-HFにプリセットされています。
JT65-HFの[Dial QRG KHz]の枠の中でマウスを右クリックするとHF帯での主なJT65運用周波数が表示されます。
周波数を見ていただくとわかるように、国内ではローバンドでの運用は難しいようです。受信におすすめの周波数は14,21,28MHz帯です。お好きなバンドに設定してみてください。なお、無線機のモードはUSB側になります。



入力信号の調整

正しくセットアップが終われば、JT65-HFの右上のウォーターホールに信号やノイズのラインが出てきます。
ここで入力レベルの調整を行います。
JT65-HFの左上にある受信信号レベルを示す数字(朱丸)とその下のスライダー(青矢)を使用します。バーメータ(朱矢)の振れも参考にします。
スライダーを調整して数字が 0 になるように調整します。なおLR側のどちらの信号を使うかが朱丸内で指定されていますので、使わない側のスライダーは左に寄せておいてもかまいません。
なお、ここで調整できないほどレベルが高かったり低かったりする場合は、PCの入力(マイクなど)で調整してください。




とりあえずここまでくればJT65の受信準備は完了です。
そのまま信号を受信し続けてください。
調整ができていれば、JT65-HFの左側に受信した文字がでてくると思います。

JT65の信号が受信されれば,JT65-HFの右上のウォータホールに右のような線が現れます。左側はノイズです。右側にややはっきりした線が見えます。線から右側にランダムなドットが見えます。また中央付近にも薄いながらJT65の信号が見えています。このレベルで受信できれば復調はほぼできるはずです。
この受信例では,無線機のSメータはノイズレベルで振っているだけです。


くどいようですが JT65の受信には最低1分必要です。あせらずに受信してください。




受信内容の説明に続きます。

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