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RTTY,PSK,SSTV,CWインターフェイスの製作
無線機とPCをつなぐケーブルを作ってみました。
RTTY,PSK,SSTV用のオーディオ入出力とPTTコントロールをおこなうものです。
その他にRTTYのFSK信号とCWのキーイングの回路も組み込んでみました。
無線機に合わせたコネクタを準備すれば多くの機種に対応できると思います。
現在使用しているインターフェイスです。
右側はFT-897用に使用しているものです。PCと無線機はオーディオ信号とPTTコントロール信号が接続されます。無線機へは無線機背面のDATA端子で接続します。
左側はIC-703用です。オーディオ信号、PTTコントロールは右側と同じですが、RTTY用にFSK信号の回路を追加してあります。無線機へは無線機の背面のACC端子で接続します。
どちらのインターフェイスもPTTコントロールは手前にあるRS-232C->USB変換ケーブルでPCと接続しています。
ここでは、左側のインターフェイスにCWのキーイング回路を追加したものを掲載しています。
回路図
今回製作したインターフェイスの回路図です。
PTT,FSK,CWの回路にはトランジスターがよく使われますが、フォトカプラーを使ってみました。
右の画像をクリックすると拡大した画面が表示されます。
(表示するにはPDF Readerが必要です)
部 品
名称 | 規格 | 個数 |
抵抗 | 10K | 2 |
半固定抵抗 | 10K | 2 |
電解コンデンサ | 35V, 1uF | 1 |
LED | | 3 |
ダイオード | スイッチング | 3 |
フォトカプラ | 汎用型 | 3 |
無線機用プラグ | DATA or ACC | 1 |
ジャンパーピン | ショートピン付 | 3 |
名称 | 規格 | 個数 |
ユニバーサル基板 | サンハヤトICB-88 | 1 |
フェイトビーズ | | 5 |
RS-232Cプラグ | D-SUB-9 | 1 |
3.5mmステレオプラグ | | 2 |
ステレオプラグ | ※1 | 1 |
配線材 | 0.7mm銅線 | 30cm |
ケース | タッパーウェア | |
シールドケーブル | ※2 | |
※1 CW使用時に無線機と接続するプラグです。
無線機の機種によって大きさが異なりますので、無線機に合わせて準備します。
※2 シールドケーブルは無線機との接続方法によって芯線数を選ぶ
(単芯210cm,5芯160cm程度あればいろんなケースに対応可能)
部品配置
ケースに使うタッパウェアの大きさに合わせてユニバーサル基板を半分に折って使用します。
右の画像をクリックすると拡大した画面が表示されます。
(表示するにはAdobe Readerが必要です)
実態配線図
部品の取付と配線を右に示します。
左側は部品面から見たものです。朱線は裏側の配線を示しています。
右側は半田面からみた配線です。
製作作業は、この図面を見ながら行います。
制 作
ケースの大きさに合わせてユニバーサル基板をカットします。
サンハヤトICB-88の場合は、半分で丁度良く部品が乗ります。
カッターナイフで穴のある所に根気よくキズを付けていきます。
裏側も同じようにキズを付けた後、折り曲げるように力を加えるとキズの所から割ることができます。
割った面はバリが出ていますのでカッターナイフで削って丸めておきます。
部品を取り付ける所にマークを付けます。マークの所に部品の足が入ります。
部品取付位置がずれると配線ができなくなる場合がありますので必ずマークしておきます。
マジックペンのペン先を穴に当てる程度でOKです。
(右図の青矢印は5mmのLED取りつけ位置です。3mmのLEDを使う場合は下の画像のように他のLEDと並べて配置できます)
部品足の整形
電解コンデンサ
寝かせて付けるため足を90度折り曲げます
抵抗
立てて取り付けるため片側の足を折り返します
ダイオード
立てて取り付けるため帯線側の足を折り返します
フェライトビーズ
被覆線を穴に通して折り曲げておきます
部品の取付
基盤に部品を取り付けます。
電解コンデンサ、ダイオード、LED、フォトカプラには極性がありますので気をつけて取り付けます。
足の長い部品の場合、足を基盤の裏で折り曲げて次の部品まで配線してしまうのが簡単です。しかし、部品の取付間違いなどがあると部品の取り外しが困難になりますので、ユニバーサル基板工作初心者の方にはおすすめできません。
ここでは、全ての部品を半田付けした後に銅線を使って配線する方法で作業を行っています。
部品を取り付けたら、長い足は全て切り落としてしまいます。
実態配線図などを見ながら配線をおこないます。
部品を確実に半田付けするとともにショート、半田ブリッジなどがないように注意しながら作業を進めます。
①隣同士のランドを繋ぐ場合はハンダでブリッジします
②離れたところは銅線で繋ぎます
③配線を曲げるときはランドの上で曲げます
最後に配線が通るランドをハンダ付けします
配線の端部は後でケーブルを半田付けするところです。穴を潰さないようにするため半田を乗せないでおきます。
(右図の朱矢印の列にケーブルを差し込みます)
作業が終わったらもう一度誤配線やショートがないか確認します。ルーペなどがあると便利です。
ケーブルの加工
PC、無線機と接続するためのケーブルをつくります。
全てシールドケーブルを使います。信号の数によって芯数を決めますが、単芯と5芯のものがあればほとんど対応できます。
PCのオーディオ入出力用
PCのマイク、スピーカジャックに接続するものです。単芯ケーブルに3.5mmステレオプラグを取り付けます。
配線は図のようにしますが、グランド側を必ずシールドにつなぎます。
PCのRS-232C接続ケーブル
PCのRS-232CまたはRS-232C->USB変換器などにつなぐケーブルです。3芯ケーブルにRS-232Cコネクタを取り付けます。
(ここでは5芯ケーブルを使っています)
無線機の DATA or ACC 接続ケーブル
無線機側の信号入出力ケーブルです。無線機によって形状が異なります。また、無線機によっては複数の入出力を持っているものがありますが、端子によって使える機能が違いますので運用にあわせたプラグを準備します。
インターフェイスと無線機を繋ぐ信号ライン数はAFSKの場合は3本(他GND1本)、AFSKとFSKを併用する場合は4本必要です。ここではいろんな運用形態に対応させるために5芯のシールドケーブルを使用しています。
(画像は、IC-703用のDIN13Pinです。)
無線機CW端子接続ケーブル
無線機の電鍵用ジャックに繋ぐケーブルです。無線機によってジャックの形状が違いますので無線機にあったものを準備します。
ケーブルは単芯のシールドケーブルです。
なお、インターフェイス側は先の DATA or ACC ケーブルで取り出し無線機側を分岐してプラグを取り付けると引き回しがスマートになります。いずれ変更する予定です。
シールドケーブルの先端処理
シールドケーブルのシールド(網線)を回路のグランド側に接続しますが、芯線に比べ太いためそのままでは配線が難しいです。網線をほどいて適当な太さになる様により分けて残りはショートしないように処理します。
テスト
インターフェイス基盤にケーブルを仮止めしPCと無線機に繋いでテストを行います。
動作確認とノイズのチェックをおこないます。
ノイズが大きい場合は配線をとシールド線の処理を確認します。ただし、PCはノイズ発生源になっていますのでPC周りの対策も必要な場合があります。
正常に動くことが確認できたらケースに入れます。
今回は小型のタッパウェアを使いました。基盤に仮止めしたケーブルを外してタッパウェアに開けた穴に通します。基盤とケーブルをしっかり半田付けします。ケーブルの引出し部は半田付けした所に力が掛からないように処理します。
回り込み対策
基盤にはフェライトビーズによる回り込み対策をおこなっていますが完全ではありません。回り込みが気になる場合は、無線機と接続するケーブルの無線機近くとインターフェイス近くにフェライトコア(パッチンコア)を入れると改善される場合があります。
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