静電容量結合型のアース板を作ってみました。

VU帯のモービルアンテナには、ノンラジアルタイプのアース不要のアンテナが多くありますが、HF帯や一部のVU帯アンテナでは、(ボディー)アースが必要になります。
そんなアンテナを使うときに重宝するアース板を作ってみました。

私のモービルアンテナは、右のようなルーフレールを挟み込むようにして設置してあります。この状態では、ボディーアースがとれていないのでHF帯のアンテナやUV帯の1/4λなどの短いアンテナを使用できませんでした。

そこで、試行錯誤しながらボディーアースを試みましたが、ここに紹介する方法が手軽で結果も良好でした。

このアース板は、モービルホイップ用の他に、このHPで紹介しているバーチカルアンテナのアース板としても使っています。

アース設置イメージ






製作イメージ1

材料は、100YENショップで購入した
マグネットシート(100mm X 300mm)、アルミテープと被覆銅線(5sqなどの太めのものが良い)です。

このほかにアンテナやアンテナ基台と結合させるため、大型の圧着端子やクリップなど使用する場所に合わせて準備します。


製作イメージ2

マグネットシートには、表と裏があります。裏側(磁石側)がボディー側になるようにし、表側にアルミテープを貼り付けていきます。アルミテープ同士が重なるように表側全面に貼り付けます。
何重にも貼り付ける必要はありません。

マグネットシートからアルミテープがはみ出すと、車の塗装に傷を付けることがありますので、はみ出した部分はカッターなどで削っておきます。


製作イメージ3

被覆銅線の被覆を5cm程度はぎ取り、左のように扇状に広げます。できるだけアルミテープとの接触面を多くするため銅線同士が重ならないようにします。


製作イメージ4

広げた銅線の上にアルミテープを貼り付けます。このとき銅線が下のアルミテープに密着するように、銅線の上のアルミテープを押さえつけます。


製作イメージ5

被覆銅線が扇状に広げた銅線の上を通るように被覆銅線を折り返します。これで被覆銅線が抜け落ちるのを防ぐことができます。

折り返した被覆銅線をアルミテープで押さえてから、全体にアルミテープを重ね貼りします。アルミテープは軽い力で破けやすいので、被覆銅線の引き出し部は特に丈夫にします。


製作イメージ6

このアース板を車のボディーに貼り付け、被覆銅線をアンテナ基台などと接続します。

被覆銅線の先端に大型の圧着端子を取り付ければ、基台とモービルアンテナで挟み込むことができます(トップ画像)。

また、大きめのワニ口クリップなどを取り付けることにより利用の幅が広がります。
左は、釣竿を使ったバーチカルアンテナの給電部。赤いコードがアース線です。アース板は車の側面に貼り付けています。


製作イメージ7





結合容量アップ

上で紹介したアース板は、私の使用条件では7MHz以上の周波数で安定して使用できました。しかし、ローバンドでは結合容量不足から不安定になることがあるようです。そこで結合容量を増やすためにもう1枚追加してみました。
1枚の使用では足りないと思ったときに簡単に取り付けられるようにしています。
3.5MHz用のモービルホイップを使用するときはこの方法でアースをとっています。


製作イメージ8

上で紹介したアース板をもう1枚準備します。
ただし、アンテナと接続するコードは取り付けません。

容量不足の場合は、アンテナに繋いだアース板にもう1枚横に並べて設置します。


製作イメージ9

追加するアース板は、アルミテープを僅かにゴム磁石からはみ出るようにしておきます。横に並べて置いたときはみ出たアルミテープが隣のアース板の上に重なるようにします。浮いているときは手で押しつければOKです。2枚のアース板のアルミテープ同士が適当に接触していれば大丈夫なようです。

もしこれで安定しなければ素直にコードを繋ぎましょう(^^;