80m Band Base Loding               Vertical Antenna
50%短縮型の1/4λバーチカルアンテナです。
エレメント長は約10mになります。エレメントとポールは7MHz用フルサイズ1/4λバーチカルアンテナのものを使っています。ベース部分にローディングコイルを挿入して短縮型にしています。

ベースローディングのメリットとして、共振周波数の調整が手元でできる点があります。短縮型のため、SWR1.5以下の範囲が狭くなりますが、コイルの途中にタップを設けるなどしてコイルの巻き数を調整することにより、3.5〜3.8MHzまでのアマチュアバンドにQRVが可能です。

接地は、静電容量結合でボディーアースとしています。ボディーアースの方法はこちらのページで紹介しています。


構造は、同軸ケーブルの心線をローディングコイルを介してエレメントとなるワイヤーに接続し、網線側はアースします。
図に示したエレメントの長さは約1/8波長ですが、ローディングコイルで調整しますので
1/4波長以下であればOKです。


上の図のままでは、共振した周波数から狭い範囲でしか使うことができませんので、右図のようにショートワイヤーを使ってコイルの任意の点にショートさせてコイルの巻き数を調整します。コイルの巻き数を余分に巻いておくことで、短いエレメントにも対応できます。

理論的には、共振状態では給電インピーダンスが下がるので調整(マッチング)が必要とのことですが、ショート位置とアースの調整でSWRを実用範囲まで追い込むことができました。
しかし、アンテナの設営条件によってはSWRが下がりきらずアンテナチューナのお世話にならなければならないこともあります。

実際に使用してみた結果は好感触を得ることができ、アンテナチューナ使用を前提とすれば実用可能なものと思われます。



=改良型=


更に改造して右のようなコイルにしました。アンテナ製作記事などでよく使われているものです。コイルの下端はアースに落とし、コイルの途中に給電する方法です。
同軸芯線側のタップ位置を調整することでマッチングをとります。
2カ所のショート位置を変えることにより調整がしやすくなりました。


上のコイルでも十分に使用できると思っていたのですが、スノーノイズの激しい中で調整を行っていたところ、指先に衝撃を受けるような感電をしてしまいました。10mもあるエレメントを空電の激しい空に向けて突き上げていたので、体がアースになって感電したようです。そこで常時アースに接続されているコイルに変更しました。

電波の飛びや調整のためよりも感電に驚いて変更したのが実態です。

ローディングコイルの作り方


材 料

右の写真のような材料を準備しました。

コイルの芯となる塩ビ管      VU40 配水管用の肉薄タイプです
塩ビ管のフタ 2コ
塩ビ管用固定金具(バンド)
クリップ
銅線 (直径1.2mm)
自在ブッシュ
ミノムシクリップ  できるだけ小さいものを準備してください
圧着端子
被覆銅線
ビス・ナット
MJ型コネクタ    (撮影し忘れ)
両面テープ     (撮影し忘れ)



塩ビ管寸法

塩ビ管の長さは210mmにカットします。
カット後作業しやすいように右図の寸法位置にマークをしておきます。




自在ブッシュを谷の部分が40コになるようにカットします。自在ブッシュの裏面(平らな面)に両面テープを貼り塩ビ管に貼り付けます。今回は4カ所に貼り付けました。貼り付けカ所数が少ないとショートワイヤーのミノムシクリップで挟みにくくなります。また貼り付け位置を調整してコイルが綺麗に巻けるようにします。

コイルの巻はじめと巻き終わり位置にビス穴を開けます。

 
銅線に圧着端子を取付け巻はじめの穴にビス止めします。銅線を自在ブッシュの谷に入れながら巻き込んでいきます。銅線が緩まないように形を整えながら作業を進めます。

 
コイルの巻き終わりで銅線を切り、ビニールテープで仮止めしてコイル全体の形を整えます。コイルが緩ければ締め込んでおきます。形が整ったら圧着端子を取り付けて巻き終わりの穴にビス止めします。

下部キャップにMJコネクタを取り付けます。

ドリルなどで穴を開けた後、リマを使って穴を広げます。MJコネクタを取り付けます。

上部キャップには、アンテナワイヤー取り付け用のビス穴を開けておきます。

ショートワイヤーと内部の配線コードを作ります。

ショートワイヤーは15cmの被覆銅線に圧着端子とミノムシクリップを取り付けます。 (上)
MJ端子接続コードは8cmの被覆銅線の片方に圧着端子を取り付けます。 (中)
ワイヤー取付ビス用のコードは、6cmの被覆銅線の両方に圧着端子を取り付けます。 (下)

ショートワイヤーを取り付けます。

コイル上側のビスを一旦外し、コイルとショートワイヤーを外したビスで共締めします。塩ビ管内部にナットを入れてきつく締めます。
コイル下側のビスにもナットを着けて締め付けておきます。
内部配線を行います。

コイル上側のビスの先端に両側に圧着端子を取り付けたコードをナットで締め付けます。

コイル下側のビスに、片側に圧着端子を取り付けたコードを取り付けます。
コイル上側に取り付けたコード先端の圧着端子にビスを通し、ビス穴を開けた上部キャップに通します。キャップ外側にナットを入れて締め付けます。
コイル下側に取り付けたコードの先端を、下部キャップに取り付けたMJコネクタの中央端子にハンダ付けします。
上部キャップと下部キャップをしっかり取り付けます。
使用する環境によって防水処理が必要です。コイルを立てて使う場合は下部キャップと塩ビ管の接合部をホットボンドやビニールテープで塞ぐと良いでしょう。
(接着剤を使うとメンテナンスができなくなります)

塩ビ管固定用のバンドを取り付けます。
コイル先端のビスに接触しないように注意して取り付けます。
このバンドのネジ穴を使って取付場所に合わせた器具にネジ止めします。
移動用ポールなどに取り付けるため大型のクリップに取り付けてみました。 使用例

コイル上部のビスにエレメントを取り付けます。
コイル下部には同軸ケーブルを接続します。同軸コネクタを挟んでいる赤いクリップでアースをとっています。

改良型の作り方
上で作ったコイルを改造して改良型にします。

材料は被覆銅線とミノムシクリップを準備します。

コイルの下端をアースに落とす構造なので、内部配線を変更する必要があります。
コイルの下部キャップをはずして、MJコネクタの中央端子にハンダ付けした被覆銅線を外します。
コイル下端のビスの脇に穴を開け被覆銅線を通します。
新たに付けた被覆銅線をMJコネクタの中央端子にハンダ付けします。
コイルに繋がる被覆銅線はMJコネクタの外側(ネジ側)の端子にハンダ付けします。
下部キャップを締め付け、MJコネクタ中央端子に繋いだ被覆銅線にミノムシクリップを取り付けます。被覆銅線はあまり長くしない方が扱いやすいでしょう
(私の環境では、コイル下端から3ターンあたりでマッチングがとれています。)
使用する周波数やエレメントワイヤーの長さが決まっていれば、コイルにハンダ付けしてしまう方が動作が安定します。

画像では、ショート位置で塩ビ管に穴を開けて同軸芯線側の被覆銅線を引き出してハンダ付けしています。


参考文献
          ham radio series hrs アンテナ編 ワイヤーアンテナ     CQ出版社
          アマチュアのアンテナ設計法 JA1CA岡本次雄 著     CQ出版社