7MHz用のワイヤーの端から給電するアンテナです。
			ツェップアンテナなどと呼ばれることもありますが、同軸ケーブルで給電しますので構造が違います。
			・・・なので、ロングワイヤー?でもないし・・・
			製作にあたっては、JAIAホームページの情報コーナーに掲載されている「楽しい移動運用 アンテナ大研究」プレゼンテーション版を参考にさせていただきました。
			残念ながらこの資料は掲載期限が切れましたので閲覧することができなくなりました。
				
			
			
		
			アンテナ材料
	
			 
	
			
			
			ウレタン線(エナメル線)
コイル用ボビン
コンデンサー
碍子
エレメント
	
			φ0.9mm
フィルムケース
同軸ケーブル  3C-2V
塩ビパイプ(1cm厚にスライスしたもの)
画像では堅い碍子を使用していますが落下・転倒時の安全のため変更しました
被覆銅線 0.75Sq
	
			
			
			HPをご覧いただいた方より、当局が使用しているこのアンテナの使用可能な空中線電力についてご質問をいただきました。
			一応、50WPEPの使用に耐えると思っておりますが、保証の限りではありません。製作使用にあたってはご自身の責任でお願いします。
			なお、現在RTTY50Wでの耐圧試験を行っております。結果は後ほどUPします。
			
			耐圧試験の結果について
			ご来場頂きました方からのご要望に応じて耐圧テストを行いました。
			テスト方法は、50WのリグにAFSKでRTTY信号を入力し送信します。ALCが働かない程度に信号を調整して入力していますので、パワー計では35~40W程度の出力になっています。
			送受信割合は、おおむね送信2、受信1程度と思われます。1時間程度の送受信テストを繰り返しおおむね10時間程度運用してテスト終了としました。
			テスト時のSWR監視とテスト終了後の給電部解体確認をおこない異常がないことを確認しています。
			RTTYの連続信号において以上の結果を得ましたので、SSB運用時の50WPEPの使用も問題ないと思われます。
			なお、製作使用にあたってはアマチュア無線家精神に則り「自己責任」で実験してください。
			
			
しくみ
			エレメントサイズはダイポールアンテナと同じ1/2λです。違いは、エレメントの端から給電することと、電圧給電アンテナ(ダイポールアンテナは電流給電)ということです。
			電圧給電アンテナは、給電インピーダンスが高いため50Ωの同軸ケーブルを直接取り付けることが出来ません。そこで、右のようなコイルとコンデンサーを使った共振回路を介して給電することになります。
	
				
			
			
End Fed Half Wave Antennaの動作について考える
			このアンテナを作ろうとして雑誌やWebで情報を探したとき製作記事は多く見つかりましたが、その内容はこう作ればよいというような完成形をデータにしたものがほとんどでした。
			最初に作った40m用のアンテナは、何とか使える・・ような・・ 不完全なアンテナとなってしまいました。
			調整しようとしても提供されたデータだけで作ったものですから調整のポイントを理解していません。完成形となるまで試行錯誤したことはいうまでもありません。
			そこで提供されたデータを無視してアンテナの動作を考えながら計算したデータで作れないかと考えてみました。
			注意 ここから先は筆者の私的な解釈が含まれていますのでご利用に当たってはご注意ください。
	
			
			1.共振回路のLC値はどうやって決める
			まずはEnd Fed Half Wave Antennaの構造を考えたとき、共振回路と共振したエレメントを繋いでどうやって50Ωの電源とマッチングがとれるのだろうという疑問が出てきました。共振回路は特定の周波数に対して無数のLとCの組み合わせがあります。この組み合わせから50Ωがでてくる組み合わせがあるのでしょうか?
			そこでアンテナの給電部の回路を書き換えてみました。
	
			
				
				
			
			左の図ではGnd側に回路にないヒゲがありますが、どこかに電気的なヒゲがあるような気がします。
			完全なエレメント端では電流値が0ですからこんなところからは給電できないのではないでしょうか。そうなるとわずかにエレメント内に給電点があると想像できます。エレメントが短くなった分は反対側に出ていてもおかしくありません。
			実際には存在しない部分ですから回路の中に埋もれているか同軸ケーブルに乗っているかもしれません。
			ともあれ、回路を書き換えてしまえば給電位置をサイドにずらした半波長ダイポールアンテナになりました。
			共振回路と称していた部分はLCマッチ回路です。エレメントのリアクタンスのキャンセルとインピーダンス整合をしている回路です。
			先にも書きましたが特定の周波数に共振するLCの組み合わせは無数にあります。しかし、LCマッチ回路として考えるとエレメントのインピーダンス値とリアクタンス値によりLCの定数が決まります。
			こう考えれば共振回路といっているLCの値が決めやすくなりました。
	
			
			2.給電インピーダンスはどう求めるか?
			第2の疑問点は給電インピーダンスの求め方です。製作記事などでは○KΩと定数を指定していますがどう求めたのかがよくわかりません。
			電圧給電(半波長片側給電ではありません)アンテナの給電インピーダンスが高くなるというのは既知のことでここでは省略します。
			では、そのインピーダンスはどのくらいでしょうか。
			先人の知恵をお借りして専門誌等をみてみますと波長とエレメントの太さで給電インピーダンスが大きく変わるようです。
			更にはアンテナの高さの影響で給電インピーダンスとリアクタンスが大きく波打つような変化をしています。
			これは困りました。
			実際に測定しようと思ってもこのような高いインピーダンスを計れる測定器は持ち合わせていません。
			先にも書きましたが共振回路の正体はLCマッチ回路です。適正な定数に調整できればかなり無茶な整合もかけることができます。
			しかし、実際の調整作業は切り貼りの世界ですからかなり根気がいる作業になりそうです。
			当局が初めて作ったこのアンテナが不完全だったのや、資料どおりに作ったアンテナのSWRが落ちないなどというのは、この未知の給電インピーダンスに原因があるのかもしれません。
			解決方法は先延ばしにして次に進みます。
	
			
			3.共振回路は共振していない
			なんか禅問答のようですが・・・
			実はこのことを考えるまでこのアンテナの深みにはまりそうになりました。
			この共振回路という言葉に惑わされていたのです。
			
LCの共振周波数=運用周波数  エレメントの共振周波数=運用周波数  LCの共振周波数=エレメントの共振周波数
			End Fed Half Wave Antennaは LCの共振周波数=エレメントの共振周波数 だと思い込んでいました。
			ピンポイントでLCを設定すればもしかしたら成立する式かもしれませんが、実際の設置を考えると難しいでしょう。
			共振回路と称する部分がリアクタンスのキャンセルとインピーダンス整合をしているのなら
			
LCの共振周波数≒エレメントの共振周波数  または  LCの共振周波数≠エレメントの共振周波数 となりそうです。
			リアクタンスのキャンセルと同時にエレメントの給電インピーダンスとの不整合で50Ωを電源側にみせる。
			これでいいのか?違う?違うのか?  まあいいか!
			ともあれ1で疑問だった電源からみて50Ωのアンテナの仕組みがやっと想像できるようになってきました。
 	
			
			4.電圧給電すると無線機が壊れる?
			電圧給電のアンテナを使っています(作りました)という話をすると「怖いアンテナを使っていますね」とか「無線機が壊れる・・・」などと返されることが意外と多いのには驚きます。本当にそのようなことがあるのでしょうか。
			このような話をされた場合その理由を聞いてみると、ほとんどの場合「そういう話を聞いたことがある」とか、もう少し詳しく話してくれる方でも「電圧が高いから」程度で終わってしまいます。
			「そういう話を・・・」というのは何とも答えようがありませんが「電圧が高いから」というのは誤解でしょう。
			整合のとれたアンテナであれば電源(無線機)からみれば電圧給電アンテナもその他のアンテナも同じアンテナです。
			仮に電圧給電アンテナ以外でも不整合を起こしているアンテナを繋げば無線機を壊す可能性はあります。
			電圧給電だからということで敬遠してしまうのはもったいない話です。
	
			
			5.エレメントの端点から給電すると同軸ケーブルに電波が乗る
			これは結構多くの局が経験していることではないでしょうか。
			送信するとインターフェアーが発生したりアンテナアナライザーでは良好なのに送信するとSWRが暴れるなどの症状が出てきます。
			なぜこんなことが起こる場合があるのか?
			予想できることはエレメントが共振していないのではないかということです。
	
			
				
			
			上の図は 1 の項目で使ったものを使ってエレメントが周波数に対して短い(長い)場合を仮定しました。エレメントが短くなった分右側に仮定したヒゲが長く出でくることが予想されます。
			しかし、この部分には物理的なヒゲはありませんから回路の配線や同軸ケーブルに乗ってしまうことが考えられます。
			エレメントの高さや周辺の構築物などの影響でエレメントの共振周波数が変わるというのは既知のことです。
			製品として完成されたものでも張り方によっては上記症状が出るというのはこのことが原因かもしれません。
			適正に調整されたアンテナであれば対策をとるのも容易かもしれません。
			さて、このことを考えると自作時に注意しなければならないと思われることがでてきました。
			ダイポールアンテナなどでは長めのエレメントを準備して切り詰めながら共振周波数(厳密にはSWR)を追い込んでいくというやり方をします。
			これは給電部が固定されてエレメント長だけが調整できる場合です。
			これから作ろうとするアンテナは給電部を調整するわけですからエレメントが固定されていなければうまくいかない可能性があります。
			先にも書きましたがLCマッチは無茶な整合もかけられるものです。
			仮に同軸ケーブルがエレメントに化けた状態で整合を取ってもうまくいってしまう可能性があります。そうなれば同軸ケーブル上に野放しにされたエネルギーが何らかの影響を及ぼす可能性がありそうです。
			このことを考えるとLCの調整には可能な限り使用時の条件に合わせた共振したエレメントを準備する必要がありそうです。
	
			
			6.アンテナ製作は意外といい加減
			これはこのアンテナに限ったことではありませんが、上記でいろいろ書いてしまいましたがポイントをつかめば計算式のような整合性は必要ないと思います。
			作って使ってみれば一番解ると思いますが、ごまかしてもアンテナになってしまうことが意外に多いように感じます。
			それに理論どおりに作っても「そうは問屋が卸さない」のが、製作の醍醐味だと思います。
			とことん性能を突き詰めるのもよいのですが使いにくいアンテナができあがってしまってはどうしようもありません。
			これから作るアンテナも誤魔化せるところは誤魔化してしまいましょう。
	
			
				
			
			
			
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